雄勝法印神楽復興支援─浜の芸能の危機を救え

仙台平野の歴史津波



                 (雄勝の人々の心の拠りどころ 2008)
東日本大震災の大津波で町が壊滅状態となり、会長は行方不明、神楽の道具が流されてしまった雄勝法印神楽(国指定・宮城県石巻市)が存続の危機です。復興支援をよろしくお願いいたします。
雄勝被災状況
http://www.geocities.jp/hoinkagura/ogatsu.html
⇒支援の内容は以下の「法印神楽」さんのHPで確認してください。
http://www.geocities.jp/hoinkagura/

雄勝法印神楽
国指定重要無形民俗文化財(宮城県石巻市雄勝町)
宮城県石巻市雄勝町に伝わる法印と呼ばれる山伏が集団で演じてきた神楽です。羽黒派系と言われており、舞は古典の神話から取材している。発生年代は不明であるが、町内大浜の千葉家に兀文4年(1739)の『御神楽之大事』というこの神楽について記述した古文書があり貴重な資料である。また公演は町内各浜の3、4月の春祭と9月の秋祭に行われる。」(宮城県文化財保護課HP)

                  (こどもたちと 新山神社2008)
「町内14カ所の神社例祭で舞われます。宮守と呼ばれる前庭に舞台を作り、御神輿を迎え、必ず湯立て神事を行い、神楽を舞います。舞の特徴として四方と中央の五方へ舞納め、印を結び修験の呪法的「寅を踏む」と呼ばれる踏み足を行います。祭の最後は、地域住民による獅子舞が勇壮に舞われます。」(「北上川と神楽」パンフより)。

雄勝の人の心の支え 新山神社2008)


(白銀神社2010 asapuroabeさん提供)


・被災した雄勝等を訪ねた須田郡司さんの「世界石巡礼公式ブログ」
http://voiceofstone.blogspot.com/2011/05/blog-post.html
・マイ雄勝法印神楽
http://d.hatena.ne.jp/tenti/searchdiary?word=%CD%BA%BE%A1%CB%A1%B0%F5%BF%C0%B3%DA
●関連する岡野玲子さんの雄勝復興アピール(HP)
http://www.najanaja.co.jp/kagura_message/kagura_message_0428.html

                      (橋引 20081019 tenti)


あの日の記憶を忘れずに、雄勝の復興 石巻の復興 東北の浜の復興とともに
GBFund(東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド)
http://arts-fukkou.blogspot.com/
◎神楽行の時、泊めていただいた石巻市水浜..頑張りました。

                         (石巻市水浜2008)
・産経ニュース─「被害を抑えた防災意識の高さ 石巻市水浜集落」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110402/dst11040214030016-n1.htm


●浜の郷土芸能全体の危機
産経ニュース【東日本大震災
震災で東北の郷土芸能がピンチ 人的被害、道具類も失う… 
2011.5.15 00:21
東日本大震災で損壊したのは、歴史的建造物や美術工芸品といった有形文化財だけではない。東北には昔から数多くの民俗芸能が息づき、人々をつないできた。そうした無形の文化財も危機にひんしている。      (黒澤綾子)
 「1千年余の文化をどう守っていけばいいのか」。関係者が頭を抱えるのは、福島県相馬地方で毎年7月に開催される国の重要無形民俗文化財「相馬野(の)馬(ま)追(おい)」。起源は平安中期の武将、平将門の軍事演習とされ、約500の騎馬武者が駆け回る神旗争奪戦は大きな見どころだ。
 南相馬市観光交流課によると、震災で地元の馬約200頭のうち約80頭が死んだ。主会場の南相馬市は一部、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏の警戒区域にあたり、神事の「野(の)馬(ま)懸(がけ)」が行われる相馬小高神社は立ち入りが規制。域内に取り残されていた馬28頭は今月初めに移動させたが、開催の見通しはたっていないという。
 国指定重要無形民俗文化財では、宮城県石巻市の「雄勝(おがつ)法印神楽」も甚大な被害を受けた。伝承の要である新山神社は流され、保存団体の会長は行方不明だ。

雄勝法印神楽 マチゲキ)
 全日本郷土芸能協会(東京都港区)によると、東北ではほぼ集落ごとに神楽や舞など民俗芸能が存在する。事務局の小岩秀太郎さん(34)は「過疎と高齢化で存続が難しい中、大震災が追い打ちをかけそうだ。人的被害に加え、面や装束などの道具類を失ったケースも多い」と懸念する。
文化庁は震災を受け、美術工芸品など有形文化財の捜索・保全について「文化財レスキュー事業」を立ち上げた。しかし、「無形文化財は人間の行為や技が対象だけに、被害状況の把握が難しい」(伝統文化課)という。
 一方、「大きな不幸があったからこそ、冥福(めいふく)を祈る舞をささげたい」と、早くも再起を決めた被災地もある。
 岩手県大船渡市では、県指定無形民俗文化財「浦浜念仏剣(けん)舞(ばい)」の道具類が失われたが、保存会メンバーは無事だった。念仏剣舞は鎮魂の行事。毎年8月のお盆時期を中心に、寺社や初盆を迎えた家の庭で踊り、霊を慰める。例年なら回るのは25世帯ほどだが、今年は3倍くらいに増えそうだという。保存会の古水力会長(65)は「地元に定着している芸能。自粛ではなく、今まで通り行うことが供養となる」と話している。」
・浦浜念仏剣舞HP(岩手県大船渡市)
http://geocities.yahoo.co.jp/gb/sign_view?member=urahama01
全日本郷土芸能協会メルマガでは..
http://archive.mag2.com/0000232686/index.html
・民俗芸能学会掲示板では..
http://8311.teacup.com/minzokugeinougakkai/bbs
◎大澤寅雄さんHp「民俗芸能と3.11以降|芸能と地域の人々との関係 」
http://toraodoc.blogspot.com/
◎民俗芸能Stream「東北の芸能と3.11」(阿部武司さんの話(一部))


  ..津波で流された(神楽の)衣装を拾い上げ 復興祭に..


                    (雄勝湾 2008)


●民俗芸能streamHP「民俗芸能と3.11以降」
http://minzokugeinoustream.seesaa.net/article/202801063.html



         会長様 観ててください 復興の舞を

おがつ復興市5.28
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2011_05/i/110520i-ogatu.html
速報
復興市で奉納 「投稿者:管理人 投稿日:2011年 5月23日(月)08時58分16秒
5月28日「雄勝復興市」開催
雄勝法印神楽においても残った道具で、2番奉納いたします。
時間は10時〜14時位
神楽は12時位からの奉納です 」(法印神楽な奴HP掲示板より110523)
110528雄勝「復興市」での神楽奉納



 



津波で流され、海から拾い上げた太鼓で...

復興市での神楽奉納の阿部さんの写真を見て、涙がでてきました。


(以上は、阿部さんから頂いたものです)
詳しくはokuderazekiをご覧ください。
http://okuderazeki.at.webry.info/201105/article_28.html
奉納直前の神楽師さんの様子「神楽師さんたちの心意気」
http://okuderazeki.at.webry.info/201105/article_29.html
会長様も、きっと喜んでいるでしょう。

雄勝法印神楽は雄勝の人の強い意志により一歩前に進むことができた。
東北地方沿岸には多数の民俗芸能が各地域にある。
下記のmarbleさんのブログに胸打たれております。
フッツァワ日誌 marble.exblog.jp
震災を受けた郷土芸能
自分の地元にはいくつか郷土芸能がありますが、たまたま浜ごとに受け継がれているものが多く、東日本大震災津波で被災された集落もあり、今、その伝承の危機に陥っています。

舞手や囃し手の皆さんが助かったものの、衣装や楽器が流され、また住民の皆さんも避難→二次避難→仮設住宅へ入居と 離れ離れになり、おそらく今後はなかなか集まって練習することは大変難しいことでしょう。
非常に残念ですが、無事な別の地区の方が伝承していくか ほかありません。
中には、担い手の方が高齢になっており、今後が非常に危うい芸能もあります。

こんな形で終わってしまうのはもったいないことです。
できれば、小学校や中学校の生徒の皆さんに、ぜひ受け継いで行って頂きたいし、郷土芸能の皆さんにも若い世代への伝承をお願いしたいです。」
鎌田東二さんが野宿して記したレポート
東日本大震災の被災地をめぐって」
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/eqmirai/2011-5-20_TKamata.pdf
鎌田さんと言えば、興味深くこの本を読んでいる途中です。

神と仏の出逢う国 (角川選書)

神と仏の出逢う国 (角川選書)

東北復興に合せ、郷土の民俗芸能復興支援をもっと拡げましょう

『仙台平野の歴史津波』(1995年 飯沼勇義 宝文堂)に寄せて

津波は史実から予測され、しかも行政に対策が陳情されていた。

「はじめに」には「ましてや、過去に、仙台平野の仙台沿岸から福島県いわき地方に至る太平洋岸には、巨大津波襲来の歴史があったことをしるべきでしょう。」とある。飯沼氏は仙台市長と宮城県知事に防災対策の陳情書を提出した・・
「おわりに」には「国の行政に携わる指導者の指導力が、こうした史実に対する理解と認識を促し、これから起こり得ると思われる巨大津波..に対するさまざまな防災についてのさまざまな対策が、ハードとソフト両面において広域な仙台地方にに実現されるよう要請されるのではないでしょうか。」(1995年)

宮城県名取市閖上0506)
河北新報110205「飯沼勇義さん 「巨大津波が仙台平野を襲う!」16年前、郷土史家が本で警告」
「仙台に巨大津波が押し寄せる恐れがある」と16年前に警告を発していた郷土史家がいる。津波の歴史を研究し、対策の充実を訴えていた仙台市宮城野区の飯沼勇義さん(80)。東日本大震災の大津波を目の当たりにし、「行政も住民も危機管理が不十分だった」と悔やんでいる。 」
津波 歴史研究から警告/「仙台平野は常襲地帯 英知集め対策を」/仙台の元教員/飯沼 勇義さん - しんぶん赤旗
                (閖上0506)

(大津波に襲われる仙台市名取川河口付近 ユーチューブより)
「私は仙台平野の東部太平洋岸の或る集落から、福島県いわき地方の沿岸集落の住民意識の実態を調べました。何れも津波襲来はあり得ないから私たちの集落は安全だと言う」
地域の伝承は絶え、行政も一民間研究者の訴えを取り上げることはなかった。歴史や地震の研究者の常識であっても、行政が本気になり、地域に浸透しなければ役に立たないということが2万5千人近い死者・行方不明者を出した東日本大震災・大津波原発事故の教訓であった。

閖上0506)
●慶長津波貞観津波の浸水域
「仙台平野の堆積物に記録された歴史時代の巨大津波─1611年慶長津波と869年貞観津波」(澤井祐紀ほか「地質ニュース」2006年)
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/Tohoku/06_08_03.pdf
●平安の人々が見た巨大津波を再現する─西暦869年貞観津波─(宍倉正展ほか2010年)
このような報告が2010年に出されていた事に驚きました。
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/katsudo/aferc_news/no.16.pdf
・もう少し早く行政が動いてくれたならと、飯沼翁に同感。
「巨大津波を予測していた男−活断層地震研究センターの宍倉博士
2011年 4月 11日 9:21 JST .」(ウォールストリートジャーナルHP)
http://jp.wsj.com/Japan/node_219865
宍倉正展氏の震災に関するコメント
サイエンス・ポータルHP─ 宍倉 正展 氏(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター 海溝型地震履歴研究チーム長)
http://scienceportal.jp/HotTopics/opinion/180.html
・被災資料救出保全プロジェクトの記録(神奈川大学日本常民文化研究所)
http://d.hatena.ne.jp/jouminbunka-1/

(左 閖上中学校)


【『仙台平野の歴史津波』で取り上げられた興味深い伝承】
名取市 清水峯神社と津波・疫病
 ・みやぎの歴史物語HP
http://blogs.dion.ne.jp/natorigoro/archives/10073606.html
・名取の小佐治とは違う多賀城の小佐治・猩猩津波の物語
 ・小佐治物語─「はてノ塩竈」さんのブログから
http://blogs.yahoo.co.jp/mas_k2513/27528452.html
・本書の「慶長津波」に関しては「成実三昧」さんのHPが丁寧に整理されてい ますので紹介させていただきます。
 ・http://shigezane.fc2web.com/majime/sanriku-jishin.html



名取川べり 閖上太子堂から仙台市街を望む0506)
津波の塩害と貞観地震の復旧─保立道久の研究雑記HPより
貞観地震の復旧には蝦夷の人々が活躍したのではないかという興味深い記事。そして..
http://hotatelog.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/28-26e8.html


(ZANGIEFCHAMP さんが 2011/04/12 にアップロード)
「私の母の実家は南三陸町にあります。しかし今回の津波で母の実家­そして母の家系は全て亡くなりました。今回の震災は天災であるが­ゆえ無力感と怒りがこみ上げてきますが、それ以上に私が感じる事­はこの状態になっても政治家の方々は未だに国会にて無意味な行動­を取っている事です。現地に来てちゃんと見て下さい。どれだけ壮­絶かつ悲惨な光景かを。」(guraguramanさんのコメント)
【宮城の浜では..】
◎「名取市閖上(ゆりあげ)復興支援ブログ」さん
http://blog.livedoor.jp/coolsportsphoto/
ここから
http://blog.livedoor.jp/coolsportsphoto/archives/51682714.html
 ・ 名取@避難所のブログ(3月25日)
http://ameblo.jp/natori-shinsai/entry-10841112823.html


          回向 (asapuroabeさん提供)


このたびの東日本大震災でお亡くなりになった方々を深く悼みます。合掌

津波の教訓(山村武彦氏のHPによる)
http://www.bo-sai.co.jp/tunami.htm
◎これからのために宍倉正展氏紹介の東日本大震災に関わる科学的速報
産総研ホーム > 活断層地震研究センターホーム
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/Tohoku/index.html

(「9世紀後半頃の大規模な水害の痕跡を確認」を報じた市川橋遺跡略報4)
◎考古学からの「貞観地震
柳澤和明「貞観地震津波からの陸奧国府多賀城の復興」」(NPOゲート シティ多賀城HP)
「1.はじめに
2.陸奧国府多賀城とは
3.貞観地震津波による国府多賀城の被害
4.地形・地震津波研究者による近年の貞観津波研究
5.貞観津波による国府多賀城の浸水域の推定
(1)砂押川における2011年3月11日の津波遡上
(2)貞観地震当時の仙台平野北部の地形
(3)国府多賀城における貞観津波の浸水域推定
6.貞観地震からの陸奧国の復興
(1)文献史料(『日本三代実録』)からみた陸奧国の復興
(2)発掘調査成果からみた陸奧国の復興
 1)陸奧国府多賀城の復興
 2)多賀城廃寺の復興
 3)陸奧国分寺国分尼寺の復興
7.おわりに」
・本文
http://gatetagajyo.web.fc2.com/jyougan_tunami.html
(110531)

地震の日本史―大地は何を語るのか (中公新書)

地震の日本史―大地は何を語るのか (中公新書)

地震考古学(寒川旭)
http://jishin-info.jp/column-08/column-08a.shtml
地震考古学から21世紀の大型地震を考える(寒川旭)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/fgi/library/53_sangawa.pdf



◎お勧め本─ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』
夜と霧 新版
「それはなにも強制収容所に限らない。
人間はどこにいても運命と対峙させられ、
ただもう苦しいという状況から精神的に何かをなしとげるかどうか、
という決断をせまられるのだ。」
...そうなんだ。

【耳寄り情報】
ふんばろう東日本支援プロジェクト
あの西條剛央(たけお)さんが始めた被災者要望対応物資支援プロジェクト
http://fumbaro.org/

現代思想のレボリューション(構造構成主義研究 1)

現代思想のレボリューション(構造構成主義研究 1)

“大事なことは困っている人を早く助けること。
駆け寄って問題から発見し解決する能動的支援が必要”との西條さんの実践のあり方(河北新報110527)を、またも政争にあけくれる世界に届けたい。
◎西條さんのブログ
津波主被災地の惨状はテレビで報道されているものより遥かに悲惨です。僕の行方不明だった伯父さんも1ヶ月後発見されました。東京では哀しみは過ぎ去ったかのように思われていますが、現地ではどこかにいる愛する人を何万人、何十万人ものひとがいまだ探して歩いています。
 物は大きな避難所には山積みにされていますが、小さな避難所や個人避難宅には届いていません。また生活の質をあげる物資に至ってはまったく足りていない状況です。避難所のストレスはピークに達しており精神的なケアも不可欠です。」
http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/
津波被災地の支援について 西條剛央&岩上安身対談(動画※長時間)
http://www.ustream.tv/recorded/13788982


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