福島の浜は今─小高区浦尻貝塚から


ういういしい三春の千年滝桜に酔いしれた後 警戒区域を避けて、山を越え、やっと念願の国史跡の浦尻貝塚(南相馬市・左手の丘)に近づくと
そこは、「縄文の海」でした・・・
相馬郷土史研究(小林勇一): 南相馬市小高区の縄文時代 (津波で縄文の海に戻った)


未だ放射線が高くここから南には行けない。


浦尻貝塚への道 まわりの家々は失われていました。

何千年も続いた縄文の集落は高台にありました。

                          (グーグルアースより)


浦尻貝塚の斜面は津波によってえぐられておりましたが無事
しかし、見渡すかぎり・・・地図に「浦尻の町並み」とありましたが・・・
ふもとの町から、こどもたちが縄文まつりにやってきた浦尻貝塚
東日本大震災津波原発事故により史跡公園の「夢」は、いったん失われた。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/bunkazai/urajirimaturi.jsp


                         (グーグルアースより)

  (南相馬市浦尻貝塚HPより)

【浦尻貝塚】(文化遺産オンラインより)
縄文時代前から晩期にかけての貝塚である。南北に延びる舌状の段丘上には、竪穴住居、柱穴群、貯蔵穴、土坑墓が密集し、竪穴住居が分布する中央部は直径約60mにわたって掘削され、平坦部を作出していたことが明らかとなっている。全部で4箇所の貝層が確認され、段丘南側の東西斜面には3箇所の貝層が分布し、いずれも東西15から20m、南北30から40m、最大厚1.8mと大規模である。また、段丘南側では晩期前半の貝層を確認している。貝層はいずれもアサリを主体とし、魚類ではスズキなどの内湾性種が多く、ウナギのほかにハゼ、イワシなどの小魚も多い特徴がある。動物ではシカ、イノシシの他にカモ等鳥類が多い。さらに晩期ではヤマトシジミやフナ等の増加から汽水から淡水域の利用拡大、大型サメ類やマダイの増加、骨角製漁労具が多く出土するなど外洋域の利用なども顕著となることから漁労活動の変遷も明らかとなっている。このように浦尻貝塚縄文時代前期後葉から晩期前半にかけて長期間形成され、遺構群の分布状況から周辺集落の中核的な集落として位置付けられる。また、貝塚と集落が伴って確認できることから、これらの変遷や形成過程にも関連性を認めることができ、各貝層の動物遺体群は当該地域の縄文時代の生業と環境の関わりを考える上でも重要である。」
http://www.city.minamisoma.lg.jp/bunkazai/urajiri.jsp


          (ユーチューブ sa390ku さんが 2011/04/05 にアップ)


あの日から時間が止まったような小高地区
それは、4月16日 原発事故による警戒区域が解除されましたばかりだったからでした・・

                      合掌


 丘には、桜が咲いていました。


小高区蛯沢付近

小高区村上・福岡地区も大半が水没し、車道には電線が垂れ下がったままでした。

水没していないところでも家屋の被害は大きく、解体もされていない・・

信号のある交差点もこのような状況
南相馬市小高区「東京の「現在」から「歴史」=「過去」を読み解くーPast and Present」



さらに浜の道を南に走れば、新地の浜に町並みはなく・・


橋は落ちたままで、道は途絶えておりました。



桜の季節。あの3.11東北太平洋岸を襲った大地震津波から二年目を迎えてこの荒涼たる光景
原発再開を推進する政財界、政界抗争がいかに東北の現実を見詰めたものでないかをひしひしと感じざるをえない。


                         (グーグルアースより)
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/4b0f3306fb9bad8890c79bc8e07bedb0/



福島県浪江町津島 20km警戒区域交通止め付近


                         (グーグルアースより)
【データ】

                  (文部科学省放射線量分布マップ120423)

おすすめ本─3.11後を生きるきみたちへ

3・11後を生きるきみたちへ――福島からのメッセージ (岩波ジュニア新書)

3・11後を生きるきみたちへ――福島からのメッセージ (岩波ジュニア新書)

福島第一原発に近い川内村に住むたくきよしみつ氏の若い人向けの本。
大きな衝撃を受けつつ読んでいます。ぜひ皆様にも読んでほしいです。

“・・世界が汚染されてしまう日が来ることを、若い時から確信していました。処理できない毒物をためこみつづける事業が、いつか破たんすることくらい「ふつうに考えれば」わかりきったことですから。”

“根底にあるのは、人間の欲と弱さです。”