「いしゃり」から「海童」の旅


                  (海童いしゃり2009)
「海童」は、たぶん、「うみのわらべ」で素敵なネーミングとして、「いしゃり」の意味が調べても分からず、思い余ってHPにカキコしたところ、なんと

まさおんちゃん@海童様から
「いしゃり」 の由来を教えていただきました。本当に有難うございます。
まことに意外な、そして、流石、“海人(精霊)”と感心する命名の由来です。
南三陸町(旧志津川町)はかつてから
「西の明石、東の志津川」(明石では言ってないと思いますが・・・(^_^;))
と言われるぐらいタコの有名な産地です。
アワビやウニを餌に育ったセレブタコなんていう魚屋もいるぐらいです。
現在はあまり使われていませんが
「いしゃり」とはこのタコを採る当地方独特で伝統的な漁具のことをいい
いしゃり漁と呼ばれ盛んに行われていたようです。
志津川地方を中心に南三陸沿岸で古くから伝わっていたようで
石ころに竹やカギをくくりつけサンマなどの餌をつけて釣り上げます。」

   これが「いしゃり」! とのことでした。

謎は残る。
なぜ「いしゃり」と呼ぶのか?

ネットで見ると北海道や東北北部では「イサリ」と呼んでいます。
でも、海童いさりよりいしゃりの方が、やっぱり格好いいですね。
ただ「いさり」は「漁」で「魚や貝をとること」に繋がっているような氣もします。
青森県立海洋学院HP(廃校とのことで残念)
http://marine-ac.seesaa.net/article/32962318.html
・北海道のタコ漁
http://32seiwn.yu-nagi.com/tako.html
◎まさおんちゃん@海童様、見つけましたヽ(゚∀゚)ノ 元ネタかな。
地元で愛されてミニいしゃりキーホルダーまであるんですね。納得です。
ミニいしゃり
●極め付きは「暮らす旅 南三陸」さんのブログ
暮らす旅・南三陸 ルーツ。
●そして、「南三陸の贈り物」ブログさんに行きつきました。

古そうな「いしゃり」の写真です。
ブログが3.11の日分で止まったままなのが心配です。
南三陸の贈り物 いしゃり


『絵引 民具の事典』には、似たものが「蛸曳」との味気ない用語で。
「タコ漁に用いる釣鉤。(中略)細長い板に先を鋭角に曲げた鉤を二〜三本と、餌にする魚の切り身などを刺す竹串,錘の石を括り付けたもの。これを数本海底に降ろし、船を潮流に流しながら曳き、釣り糸に当たりを感じたら手繰り上げる。」とあります。

ここまで来ると蛸漁を調べなくてはいけません・・
◎鹿児島県水産技術のあゆみHP
http://kagoshima.suigi.jp/ayumi/book/01/a01_01_17.pdf
9ページから載っております蛸の曳き釣りに相当するのでしょうか。
これは、鹿児島県指宿市の例ですから、数十年か前までは、南北でおこなわれていたのでしょうか。
結論としては、郷土の蛸漁の道具が「海童いしゃり」として現代にネーミングされているのが素晴らしいです。勉強にもなりました。
やはり、海への再生のまなざしは、遺伝子に刻まれた海漁のわらべだからなんですね。

             再生 海童の里


・参考 指宿の漁
http://suigi.jp/fukyu/jisseki/nen/h22ji-6.pdf 

この鹿児島=薩摩に「海童」という祝いの焼酎があるとは、「海の人」のネーミングの共通する思いがあるのでしょうか。
(↓音がはいっています!)
http://www.hamadasyuzou.co.jp/kaido/
蛇足てすが
海童の旅は、さらに対馬の海まで広がるようです。
「いしゃり」と「海童」の結びつきは、単なる思い付きでなかったかも・・
「いしゃり」の旅は意外なところまで来てしまいました。

海童と天童―対馬からみた日本の神々

海童と天童―対馬からみた日本の神々

「海童磯良信仰の地
対馬の神は海の中に住んでいる。その姿は子ども、老人、そして蛇体の神として感得された。潜水漁法で生計を立てていた水人(海女、海士)たちの崇める神の名を海童磯良という。
対馬の民間伝承によれば、海神の娘豊玉姫命の子どもとして海童「磯良」(いそら)が登場する。磯良は亀に乗って海中を往来し、あるときは童子の姿、またあるときには老翁の姿で人々の前に姿を現した。磯良はふだんは海底に住んでいるため、顔にはカキがへばりつき醜い顔をしていた。この磯良の伝承がやがて日本神話に取り入れられて、『日本書紀』では少童(わたつみ)と称する神々になった。伊弉諾尊が黄泉の国から帰還したおり、筑紫の日向の橘の小戸の檍原(あはぎはら)において、祓除(みそぎはらひ)を行ったときに生み出した「底津少童」(そこつわたつみのみこと)、「中津少童」(なかつわたつみのみこと)、「表津少童」(うわつわたつみのみこと)の三神がそれである。」
(やほよろづCOMより)
http://homepage3.nifty.com/yahoyorodu/kaidoh.htm
長崎県五島列島には海童神社もあります。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kankou/tanhou/goto/history/59.html

「海童」は、対馬では、海神の娘(豊玉姫)のお子さんで、対馬の海民の神様なんですね。三陸にも雄勝法印神楽など豊玉姫が登場する神楽がありますね。
考え方が繋がっているかもしれません。
とりあへずは、ここまでです。
海童いしゃりの皆様、勉強になりました。有難うございました。
今後のご活躍を祈ってます(藤翁)。

(※この記事をかいているうちに、本ブログは30万アクセスを超えました。
皆さま、まことに有難うございます。)