せんだいノート─震災を超えて

地域文化を支える面白い人々─目次(+α) 
シジューガラガンを放つ・天文台の小石川さんに教わる夜の遊び方・ノンちゃん牧場の今・仙台伝統白菜(中国産を仙台で)
氷河期の森(人工の森の生物たちの不思議)・釜神様はどこにいる・街頭紙芝居はどこへ・草笛吹いて・雨の日の動物園・にぎやか科学館・わかくさ号奮闘記・図録愉し哉
糸井貫二一期一会(ダダカン91歳!)・本でつながる街に暮らす(武田こうじ火星の庭..)・縄文針で釣る
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 印刷直前に 震災に遭って頓挫した「せんだいノート」ついに発刊! 
冒頭から美しい写真で南三陸の女性の「きりこ」によるまちおこし(「中国のきりこ」との交流も)とか、仙台市縄文の森広場で鹿角から作った釣針で釣りに挑戦..とか、活気あふれる震災前の東北文化を動かす人々が活き活きと登場。
それだけに震災で失われたものの大事さがひとしお感じられる。

                      (晩秋の仙台市縄文の森広場)
ミュージアムってなんだろう”という副題だが、直接的なミュージアム紹介になっていなところがかえってミュージアムの地域における「ほんとうの役割」を浮きだ出せている。名物学芸員(実名で!)が、熱心に仕事を語り、「本でつながる街に暮らす」では、豊かな本の世界が仙台にあるとは!と驚いてしまった。
とにかく楽しい本。
http://flat.kahoku.co.jp/u/junko
「仙台・宮城ミュージアムアライアンス(SMMA)」・せんだいメディアテーク・財団法人仙台市市民文化事業団の人のネットワークが産みだし、三樹書房の協力で出版にこぎつけた軌跡自体が文化的震災復興のよい一例となったのではないだろうか。

        (大津波で被災し、休館中の奥松島縄文村(東松島市))
奥松島縄文村歴史資料館
 さらに、巻末には東北のミュージアム地図と910のミュージアム一覧があり、がんばった企画。そして、特に宮城・福島県には宮戸島の奥松島縄文村歴史資料館など休館中のマークがたくさん付いていて哀しくなる。
これらの館を編者のSMMAで支援できないものだろうか。帯に「ふるさと再建という長い道のりの第一歩として」とある。

(SMMA見験楽学HP)
大学ノート形式の1470円は、この中身にしては高くない。
ぜひ、皆様も手にとってみてください。

【付記】
「1ページ目に、アインシュタイン博士の「学べば学ぶほど、自分が何も知らなかったことに気づく」との言葉を載せた。博士が1922(大正11)年、東北帝国大学(現東北大)で特別講義をした際の発言だという」(毎日新聞2011年11月7日 東京夕刊より)。

【経緯の詳細】
 本は当初、仙台市が無料の情報誌として企画し、県内のミュージアム施設で作る連合、仙台・宮城ミュージアムアライアンス(SMMA)」が編集。「ペンネームで活動している個人出版業、言水(ことみず)ヘリオさん(47)が編集長になり、昨年8月、取材や編集を始めた。原稿や写真を印刷所に持ち込む当日、東日本大震災が発生。発行は立ち消えになっていたが、東京都内の出版社である三樹書房が「被災地の古里再建に貢献できれば」と印刷や製本業務を引き受け、完成させた。
言水さんの話「風土の中に生きる文化の魅力を知ってもらいたい」」
(毎日新聞(2011年11月7日 東京夕刊 高橋宗男)などによる。一部補正)
せんだいノートの会「わんわんのさんすういちにいちに」 : 路地と人

せんだいノート

せんだいノート―ミュージアムって何だろう?

せんだいノート―ミュージアムって何だろう?

◎母体となったSMMAとは、
http://www.smma.jp/
●がんばれ奥松島縄文村・国史跡 里浜貝塚
晩秋の縄文の森広場 - JIEN記