海辺のムラの環境と暮らし─仙台市縄文の森広場
ミニ企画展 「海辺の環境と暮らし─国史跡大木囲貝塚」
東日本大震災津波の浸水域(古今書院『東日本大震災津波詳細地図』)と七ヶ浜半島の縄文遺跡の立地とが重ねあわされ、興味深い。概ね縄文時代の海岸線と集落・活動の場との関係が浮かび上がる。
大木囲貝塚(緑色表示)のような前・中期の拠点的大集落は、半島の高所に立地し、晩期の製塩遺構は津波で浸水している。集落と貝塚(廃棄する場)と生産地、活動の場、そして時期的なものと縄文人の場の使い方は一様ではなく、「縄文人は津波を避けて高台に住んだ」とか、いや「縄文の遺跡も浸水している」と
単純に言えるものではないことがわかる。
「三陸の貝塚と現状」(エントランスホール無料)震災後の三陸の著名な貝塚をパネルで紹介。
三陸の「現在残っている史跡(級)の貝塚の集落」域の多くは、浸水しなかった。そして、津波で失われた活動の場を考古学的に発見するのは、困難である。
ただ、縄文人が、見晴らしのよい場所にいて、自然の動きを五感(六感)を研ぎ澄まして感知し、活動していたことは想像できる。
数千年前の縄文人の生き様を東日本大震災後の今、生き方の問題として捉えなおすことは、必要と思う。
みどころ
- 作者: 原口強,岩松暉
- 出版社/メーカー: 古今書院
- 発売日: 2011/10
- メディア: 大型本
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陸前高田市門前貝塚(2011.8)中央の張り出した丘。下辺は、縄文時代の浜が迫っていたと考えられています。広田湾の津波浸水域を望む。
門前貝塚付近
(グーグルアースより)
背後に山を控えた高台の集落、当時の海辺の祭りの場(弓矢状配石遺構)は浸水した。
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http://www.city.sendai.jp/kyouiku/jyoumon/hana/index.html