東北学院大学文化財レスキュー展in仙台 牡鹿半島のくらしを未来に伝


      せんだいメディアテークに突如 産まれた不思議な空間は..

     レスキューされた「牡鹿の暮らしの歴史を語るモノ」

東日本大震災後の昨年6月から、東北学院大学博物館では、石巻文化センター所管の「石巻市鮎川収蔵庫」に保管されていて被災した文化財を、被災地から救出し一時保管しています。
津波の泥で汚損した民俗資料約4000点は、本学歴史学民俗学ゼミナールの学生たちによってクリーニングが進められてきました。」

「今年8月12日から14日までの3日間、石巻市鮎川で開催された被災文化財の一部(約50点)を現地で展示した移動博物館、『文化財レスキュー in 鮎川』を実施しました。そして今回は東北学院大学がレスキューした民俗資料約4000点、考古資料平箱60箱のコレクションをせんだいメディアテーク1階に展示します。」

「展示される民俗資料は、身近な衣食住の生活資料や農業・漁業の道具類です。それらの資料が過去、どのように作られ、使われてきたかを、学生が聞書きしてまとめたレポートもご紹介いたします。東北学院大学博物館が行ってきた文化財レスキューの1年半の活動、資料が現地から救出され、クリーニングを経て保管されるまでの解説パネルと映像で紹介します。」(「」東北学院大学HPより)


レスキューされたものは勝倉氏の貴重な中世石塔婆の拓本から


経石や

神社祈祷神符や...
牡鹿の人々の暮らしを物語るモノたちの宇宙.

「●展示資料と会場の構成
○展示資料
・民俗資料  衣食住や農業・漁業の道具類、200件およそ500点
・考古資料  縄文土器や石斧・石棒など、資料用コンテナおよそ60箱
・板碑の拓本 個人が牡鹿半島を中心に収集してきた板碑の拓本
○資料が現地から救出され、クリーニングを経て保管されるまでを、解説パネルと映像で紹介します。」(「ドンキホーテハムレット」より)


3日間のみの開催。展示ケースで遮断されずに歴史文化遺産を観る喜び。
お見逃しなく!


間近に見れて、写真・ブログOKでとてもいい試み。
新着情報|東北学院大学
ドンキホーテとハムレット: 2012年4月
「東北学院大学 文化財レスキュー展 in 仙台」 11月6日より せんだいメディアテークで開催 - 東北学院大学災害ボランティアステーション
新着情報|東北学院大学
石巻・牡鹿の浜の今 - JIEN記
トピックス-トピックス一覧-トピックス | 東北歴史博物館 TOHOKU HISTORY MUSEUM

●加藤幸治「東北学院大学における被災文化財への支援活動」
「11月には半島部から多くの人々が移住した仙台に存在するせんだいメディアテークで大規模な展示を企画している。この展示では、仙台周辺に避難、または移住した牡鹿半島出身者から多くの情報を得たいと思っている。救援した被災資料を展示し、そこで学生たちが聞き書きをするこのプロジェクトは、資料の現地での返却までの三年間に渡って継続的に実施する予定である。」

この文は熱いメッセージで結ばれる。
「人々が、資料に対して何を語るのか。単なる道具や在来技術の説明にとどまらず過去の生活の現状とを対比させたり、地域の変化に対する認識を吐露したりするなど従来の民俗調査のデータとは異質なものになろう。(中略)
すべてコレクションの今に付随するデータではないか。
そのナラティブ(物語)の集積は、震災後の数年間の何かを後世に残すことにつながりはしないか。
我々の文化財レスキュー活動は、物質的な保全活動から、新たな意味の創出に向けた活動へとシフトしつつある。」
東北学院大学の文化財レスキュー
文学部 歴史学科:教員紹介|東北学院大学
https://www.senri-f.or.jp/FS-Shop/wwb/item/199-168337.html


「カマガミサマと呼ばれる家の守護神のような作り物の場合、古いものは家を仕上げた左官が三和土の土で作っており、新しいものは木製となる。ともに台所の柱に祀るものである。
この資料は、土部分は溶けてしまうので水で洗わないで、ブラシで木製の部分の泥を落として、運ぶ時に衝撃を与えないようと指示を出している。」
加藤幸治「東北学院大学における被災文化財への支援活動」『記憶をつなぐ─津波災害と文化遺産』(日高真吾編 財団法人千里文化財団)
http://www.nobi.or.jp/kamagami/index.html

 反響続々
Museology Blog
鮎と戯れて・・・魚族に感謝
東北学院大学による文化財レスキューの新たな挑戦 ( その他人文科学 ) - ヨネザアドの学びの杜・遊びの海(米澤誠の公式ブログ) - Yahoo!ブログ

時は晩秋



【参考リンク】
それでも生きる! 考古学からみる災害のあと - JIEN記
「東日本大震災と民俗芸能」のお薦め情報 - JIEN記
付記:無事終了三日間で2200人
東北学院大学文化財レスキュー展inメディアテーク - JIEN記