平安時代の終わり頃の平泉への想い
1989年11月、平泉に行った時、柳之御所遺跡の北西、高館山の裾の発掘現場でみごとな木枠を用いた巨大な井戸(深さ10m以上!)に感動した思いが蘇った。ここでは緩い斜面を平らにし、溝で囲んだ中に掘立柱建物跡が多数見つかっていた。秋草双鳥文銅鏡や「かわらけ」(さかづきに使う土器の皿)、常滑・渥美の甕の他、奥州藤原氏が渥美半島から招聘した工人により開かれた宮城県水沼(石巻市)窯産の甕(12世紀前半)が出土している。
見下ろした北上川の豊かな流れも美しく、850年前の平泉の人々にとって中国や日本列島各地からの物資や人を運び、心のオアシスでもあった「命の川」だったのだろう。
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