大善寺薬師堂



旅の疲れが出て、寝坊してしまい、予定を変更して、思い出の柏尾山大善寺へ(山梨県甲州市 旧勝沼町)。あの時は修理中だったが、今回は弘安九年(1286)に工事が始まり、正応四年(1291)に完成した県内最古の木造建築(国宝)を見ることができた。屋根の反りが美しい。後ろの山と一体となった聖なる場の雰囲気。武田家ゆかりの寺でもある。

養老二年(718)に行基が開創した伝承を持つが創建は平安前期と推定されている。本尊の薬師如来平安時代前期のもの(国指定重要文化財)で、ぶどうの房を持つという。蔵骨器(13世紀の古瀬戸灰釉四耳壺・瓶子など)が裏山から沢山出土しており、鎌倉時代には在庁官人の三枝氏の墓所と考えられている(田代孝「勝沼町大善寺の中世陶器」)。東方数百mと思われる丘陵から康和五年銘経筒(1103年 東日本最古 東京国立博物館蔵)が出土し、大善寺大檀那三枝宿禰守定・守継らが埋経したことが記されているという。一帯は聖地であり、今後、大善寺周辺の本格的な発掘調査が待たれる。
勝沼ぶどう郷駅に歩きついたら雨。天に感謝
・「史蹟民宿 大善寺」一泊6000円 県指定名勝の庭園あり。
http://www.katsunuma.ne.jp/~daizenji/engi.htm