東日本大震災・大津波の写真展(仙台)


仙台市役所ロビーで展示されている大津波の惨状

ぜひ、この現実をみていただきたい

甚大な被害を受けたガス局港工場
ようやくガスは供給されはじめたものの・・
ライフラインの工場は津波を受けぬ丘の上に造るへきではないだろうか。

仙台市政は「都市」「まち」に焦点をあてて駆け上がってきたような気がする。失われたもの─「浜」の大切さが身に沁みる。
あまり広報されていない写真展だが、「復興」の前提として多くの人にみてほしい。
貞観地震
保立道久氏の『日本三代実録』の貞観十一年五月廿六日条読み下し
陸奥国の地、大いに震動す。流光、昼の如く隠映す。しばらくして人民叫呼して、伏して起きることあたわず。あるいは屋仆て圧死し、あるいは地裂けて埋殪(埋死)す。馬牛は駭奔し、あるいは互いに昇踏す。城郭・倉庫、門櫓・墻壁など頽落して顛覆すること、その数を知らず。海口は哮吼し、その聲、雷霆に似る。驚濤と涌潮と、泝芣し、漲長して、たちまちに城下にいたる。海を去ること数十百里、浩々としてその涯を弁ぜす。原野道路、すべて滄溟となる。船に乗るいとまあらず、山に登るも及びがたし。溺死するもの千ばかり、資産・苗稼、ほとんどひとつとして遺ることなし。」

(大津波に襲われた若林区荒浜:仙台市役所 東日本大震災の写真展)
【現代語訳】
 「陸奥国の大地が大いに震動した。(夜)、流光が昼のように空を覆い照らした。その直後、人民は叫び呼び、地面に伏して起きあがることもできない。あるいは家屋がたおれて、その下で圧死する場合もあり、あるいは地面が裂けて、その土砂に埋まって死んでしまうという状況である。馬牛は、驚き走って、互いに踏みつけあう有様である。城郭や倉庫、また門櫓、垣壁などが崩れ落ち、ひっくり返ることが数知れない。海口がほえたて、その声は雷電のようであった。そして、激しい波と高潮がやってきて、川をさかのぼり、また漲り進んで、たちまち多賀城の直下まで到来した。海を離れること数十百里(数十里と百里の間)の距離まで洪水になった様子は、広々としてその果てを区別することができない。原野や道路はすべて青海原のようになってしまった。船に乗る余裕もなく、山に登る時間もなく、その中で、溺死するものが千余人にも及んだ。資産や田畠の作物は、ひとつとして遺ることなく全滅してしまった。」
出典「保立道久の研究雑記 歴史家の日常と発想と反省と」貞観地震地震史の情報・考察満載!


アエラ4.10号 「100人の証言 私たちはどう生きていけばいいのか」
内田樹さんの“金より命”“マニュアルより直観”
など役に立つ記事満載を、余震酔いの中で読み始めた。
お勧めです。
「神様消滅 独立独歩」
「神はただのハリボテであり、もともとそこに神という存在そのものがなかっただけの話なのだ。」
「神幻想から自立し、自らの二本の足で立とうとする者ほど強いものはない」(藤原新也)同感。
「自然との付き合い方の中から、生き抜いていくエネルギーが生まれ出てくる」
山折哲雄
3.11 市民が撮った震災Web
http://www.sendai-city.org/311.htm/
津波に関して注目されるセイゴオ先生(松岡正剛)の番外録「千夜千冊」
http://www.honza.jp/senya/1411

津波てんでんこ―近代日本の津波史

津波てんでんこ―近代日本の津波史

・山下文男『津波てんでんこ 近代日本の津波史』新日本出版社 2008
 ・Birth of Bluesさんの「津波てんでんこ」
http://birthofblues.livedoor.biz/archives/51226136.html


新版 活動期に入った地震列島 (岩波科学ライブラリー)

新版 活動期に入った地震列島 (岩波科学ライブラリー)

・尾池和夫『新版 活動期に入った地震列島 岩波科学ライブラリー 2007』編:首藤英児
http://www.honza.jp/senya/1405