大震災から10ヶ月─寄り添い支える
10ヶ月目の本屋さんの「東日本大震災関連本」コーナー
この中から、出てまもない一冊を買って読み始めました。
菅野武『寄り添い支える─公立志津川病院 若き内科医の3.11』(河北選書)
NHKの取材を受けて、全世界に発信され、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力のある100人に選ばれ著名人になった菅野さんだが
大津波に襲われた南三陸町の志津川病院で
「自分が死んだら、見つけられやすいように」と結婚指輪をはめ、そばの看護師さんたちは互いの腕に油性マジックで名前を書きあうといった壮絶な状況
「..とてもこわかった。けれども後悔したくないとう決意が恐怖に勝った。」
その境地は、「どうやったら、この患者に寄り添っていくことができるか」
恐らく、今回の大震災では、無名の数多くの「菅野武」さんが、被災者に、寄り添い支えた、支え続けていると思う。アマゾンで至急取り扱うべき好著(840円)。
(防災庁舎の左が志津川病院 南三陸町志津川110924藤田象観)
http://www.kahoku-ss.co.jp/yorisoi.html
(グーグルアースより)
「菅野先生からのメッセージ」
「東日本大震災の前から何を考えていたのか、
そしてあの受難ともいえる悲劇の中 何を思い過ごしたのか、
それとこれからの未来への願い。
あくまで私個人の体験や思いに過ぎませんが、
その中に皆が感じたものがあるように思います。
どうかこれから先、困難に苦しむ人が、ふとした時に手に取ってもらえますように。
地元宮城県の河北新報出版センターのご協力を得て、書き上げることが出来ました。
支えてくださったすべての方への感謝と共に。
そして亡くなったすべての被災者、
特に大切な友人や私の患者さん達への悼む気持ちを忘れないためにも。
どうかご覧になってください。」
全文はこちらの東北学院大学のHPをご覧ください。
新着情報|東北学院大学
【本書からのメモ+情報】
・HuMAの活動は非常に多面的で、災害の抱える問題点を熟知している。
HuMA - HuMAについて
・災害時には、医療を提供する環境を整えられる非医療者が同行しサポートすることが重要。ex山岳ガイドによるテント設営やパーテーション
・各支援チームが自分の足で入手した情報を
毎朝のミーティングで確認(医療者→HuMA→山岳ガイド)
・菅野さんは、家族の無事を確認後、自治医科大学同窓会支援プロジェクトの一員として復帰、ベイサイドアリーナの医療統括本部(西澤匡史リーダー)で活躍。
●西澤匡史氏による南三陸町災害医療活動報告
「今後の災害対策 • そもそも浸水が予想される場所に変電所、役場、病院などの主要な施設を作らないことが必要。」然り。
西澤匡史氏の南三陸復興アピール
・本書にでてくるイスラエル医療団の活動
イスラエル医療団の記録1 | マガジン☆パウロ
「地元の地理を知り、地元の行政と顔なじみでもあったのでネットワークの基点となることとした。」
http://jichidousou.jp/
今は大学院で「次の震災で命を守るため」「学び方を学んでいる」という菅野さん。実は、本書の後半が、大きな価値を有すると思うのだが、ぜひ、実際に読んでいただくことをお勧めしたい。
わたしとしては「人に恵まれる」という彼の「人を大事にする」生き方自体が呼び寄せた「生きがい」と今回の展開と思いますが、神秘的展開も感じます。
あとがきの一部に
「彼(震災の後で生まれた息子の玲ちゃん)のおかげで私たち家族が奇跡的に助かっただけでなく(中略)命の輝きと被災者の戦いを伝えられたのだ。」
(謎は読んでいただくことで解けるのです)
その他の関連情報
NCGM-DMAT活動報告
DMAT 「愛知医報」愛知県医師会
ママ'sハートプロジェクト : あの日のある男達のドラマ
【自衛隊の活動】
http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/4d/active/higashinihon/higashinihon5.html
石井正(石巻赤十字病院)東日本大震災に対する石巻圏合同救護チームについて
【関連本】
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/08
- メディア: 単行本
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- 作者: 由井りょう子,石巻赤十字病院
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/09/30
- メディア: 単行本
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2011-09-24 - JIEN記
ちなみに本日の題は、「震災復興と無形文化」報告会におけめ阿部武司さんの発言「(被災地の人々に)寄り添う」にも相応しております。
お勧め1─震災復興と無形文化─現地からの報告と提言 - JIEN記