魂振─死をみつめて生きる─日本人の自然観と死生観

上田正昭先生の『死をみつめて生きる』を大槌行の前後に読んでおりました。

死をみつめて生きる 日本人の自然観と死生観 (角川選書)

古来の「鎮魂」はタマフリ(魂振り)であった。
「在地の民俗文化や民俗神道にはタマシイを振起するタマフリの伝統がある。」
「数多くの犠牲者の霊魂を受け継いで、復興を目指すことの鎮魂が必要である。」
「生者と生者の「絆」はもとより大切だが、
死者との「絆」を忘れてはならない」
今こそ、古代史・神話研究の老大家の言に耳を傾けよう。


             (大槌稲荷神社祭典 上京鹿子踊2012.9.22)
「古来の鎮魂祭は荒々しいミタマフリで猿女氏(祖はアメノウズメノミコト)が奉仕...「鎮魂」が「ミタマフリ」と呼ばれていたことは『日本書紀』の..
「招魂」を『日本書紀』の古訓は「ミタマフリ」と呼んでいる。」
「衰微したタマシイを振起することが「タマフリ」であった」


                      (大槌稲荷神社祭典2012.9.22)
「私が東日本大震災の折に(寺田寅彦のいましめが的中したと実感したのは)
日本の学問が自然といかに調和して暮らすか、
その知恵と経験を蓄積してきた歩みをすっかり忘れ、
特に戦後欧米型のの学問になりきることが科学の進歩に寄与すると錯覚してきたことに気づいたからである。」


                       (大槌町小鎚神社宵宮のはじまり)
「日本の多くの神々が来訪する時刻は宵であった。」
「夕暮れから夜にかけてが古式のマツリで重視されていたことは、
天理市石上神宮の鎮魂祭が午後六時からはじまり...ことからもわかる」


祭りの追っかけさんの「大槌稲荷神社宵宮 上亰鹿子踊り(かみよししおどり)
2012.9.21」


「日本人が自然とともに歴史を生み出し、
日本人が外国の人々と共に新しい文化を創り出す「とも生み」が必要である。」
(上田正昭)
お祭りや神話に興味のある方にぜひお勧めしたい書。
NPO法人 社叢学会 | しゃそうがっかい

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