「神仏・生者・死者が共存する時代」のコスモロジーの復元へ

もっとも著者がさらっとふれるとおり、門弟たちはすぐに祖師の思想を穏当なものに再解釈した。そして「垂迹のシンボル」たる石塔造立にも関わっていったわけで、この様相もまた面白いのである。
著者の「下からの、地域からの歴史像の形成とその連携の中で、新しいより立体的な歴史像をたちあげようとする試み」は思想史のみならず各地域の歴史研究者に向けられたメッセージでもあろう。

    (ケヤキの緑が濃くなった定禅寺通り)
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