性空上人聖跡

書写山円教寺は「性空上人聖跡 不断法花経転読の霊場」と鎌倉時代史書吾妻鏡』に記され、弘安十年(1287)には一遍が訪れて本尊を拝した。『一遍上人絵伝』によると寺の縁起には天人が紅桜の木を礼して「生木の如意輪、能く有情福寿の願を満たす。また往生極楽の願を満たす」と偈を唱えたとあり、「誠にこれ一乗純熟の勝地、六根清浄の霊場なり」と記されるように、生木の如意輪観音が生きとし生けるものの現世・来世ともにその願いをかなえるという名だたる霊場である。その書写山(兵庫県姫路市 海抜360m)を初めて訪れることができた。


           笠塔婆(延慶四年1311)