硫黄島からの手紙
大ヒットしているというクリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」を数日前に見た。優秀な栗林中将率いる「最後の」総攻撃(昭和20年3月26日とされる)あたりで映画は締めくくられる。ロサンゼルスオリンピックの金メダリストバロン西こと西竹一中佐も欧米経験を踏まえた紳士として描かれている。5年間のアメリカ体験を持つ合理主義者であり家族愛にあふれた栗林忠道という人間を見出したクリント・イーストウッドには国を超えた「優れた人間」に対する慧眼と思い入れを感じた。
「玉砕総指揮官」の絵手紙 (小学館文庫)
栗林中将をめぐっては『文藝春秋』1月号にも渡辺謙と梯(かけはし)久美子の対談があるhttp://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/。
梯氏の指摘する大本営が栗林の辞世「散るぞ悲しき」を「散るぞ口惜し」と改竄した話は当時の軍の体質を示していよう。
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実際、ひどい地熱(地下壕内40度)と硫黄ガスに吹き上げられる血・腐乱死体・排泄物とそれらが混ざり合った絶えられない臭い、食べるものも飲み水もなく、あげくは自らの蚤・虱・蛆を食べ、血をすすってまで生き、死んだ兵士達の「地獄の思い」を映画化することは不可能に近いことが下記の兵士たちの体験記から明らかである。
もっとも、この映画によって「戦争を知らない人々」が「戦争」について関心を持ったことはとても大事なことだと思う。なんといっても、若い人たちの関心がほとんどなかった61年前の硫黄島の戦いがこんなに話題になっているのだから。
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硫黄島からの手紙 - goo 映画
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