ケセン鎮魂のための地域伝統芸能大会(大船渡リアスホール)


            うれしなや 生死を結ぶ 子の力


                                   (浦浜念仏剣舞 大船渡市)
              念仏や 鎮魂の舞 浦浜に
僧?が香炉を持って舞う舞う、まさに鎮魂の舞。


                                  (門中組虎舞 大船渡市)
海の民の再生の気迫がびんびんと伝わってきます。

虎たちが写真では、かわいく写るので動画で紹介します。


そして、あの「赤沢鎧剣舞」(大船渡市)と再会できました。
送り火━三陸海の盆 - JIEN記



            小通鹿踊り(こがよししおどり 大船渡市)


金成百姓踊り(かねなりひゃくしょうおどり 陸前高田市)は、昭和31年に誕生した新しい郷土芸能だが、さまざまな農作業の様子を表した踊りがなんとも懐かしくも滑稽かつ堂々とした女性陣の姿には、災害にめげない逞しさを感じました。(皆さん素顔なのでお顔がはっきりする写真は掲載していませんが、ご許可いただければアップいたします。)

 
(こどもたちの浦浜念仏剣舞
三陸は、こんな素晴らしい郷土芸能を持っていてよかったです。
鎮魂の舞は、繰り返す津波・災害からコミュニティを再生させる祖先の智慧の結晶のような氣がします(120225)。

26日 国際シンポジウム


                  (「地域と郷土芸能」 平山徹氏講演)


                (「災害と宗教・文化」 赤坂憲雄氏講演)
津波で押し流された一帯の高台に残る神社やお寺の光景は、とても印象に残る震災後の光景だったが、赤坂氏も「瓦礫の海に残った神社の光景」として、同様のことを福島から三陸を歩いた体験と確信を込めて語った。

                         (鮎川萩浜付近1106)
そして三陸鹿踊りの石塔に「すべてのものの為に踊りで供養する」という趣旨のことを書いてあることを教えていただいたので、また、観に行きたくなった。
「東北の祭や民俗芸能は鎮魂や厄払いをテーマとしており、今、そのことが再評価されている。」に納得。
「福島は、放射能のために遅れているが、機運が出てきつつある」とのこと。
「浦と潟を干拓して水田そして住宅地というのが近代の開発のシナリオ・・・・人間は、自然の懐に入りすぎた。西欧近代思想の限界を露呈している」
では、どうすればよいのかと宿題を課される。
「生きているもの同士の共生以上に、生きているものと死せるものとの共生・・その折り合いの付け方を見失ってきた」
この感覚 アジア古層(欧米近代思想化以前)の感覚なのだろうか。
わたしとしてはわかるような氣がする。
重い深い赤坂憲雄氏の講演でした。
・赤坂氏のお話に出てきた縄文時代の大集落の里浜貝塚東松島市宮戸島)
国史跡里浜貝塚からのメッセージ



                            (国際シンポジウム)
【メモ】 
・小島美子:歌や踊りで(災害に遭った人々)慰めるのは日本人の伝統。
・茂木栄:鹿踊りが鹿供養から先祖供養に変化したことは
・小島:その時に必要なものを対象として取り込んできたのです。
・薗田稔:地域コミュニティがあったからこそ郷土芸能がある。
     供犠の芸能化ということ。
・赤坂:(民俗芸能は)飢饉による大量災害の経験からの鎮魂
    東北は海山の間に生きている。鹿を「しし」とは食べる肉だから。
(会場から神社復興支援を国が拒否していることについての質問に答えて)
赤坂:(わたしたちは)国や県が何かをしてくれるのに慣れてしまったが、地域の人が必要であれば、全国の神社関係者が応援に来る。ふんばろうと考える人がいれば生き残ることができる。
(仏教界も支援しているという見解について)
赤坂:津波で流された寺の境内から、遺骨が流され野ざらしになっているような目に見える現実に届いてはいない。
津波は3.11が最悪の底だが、福島は際限なくマイナス化している。
専門家は「放射能は人を殺していない」というが、自殺者はどんど増えている。
・茂木:生き残った人の思い出の再構築の意味もある。生者と死者の絆
    氷上山(ひかみさん 陸前高田市)からの絶景を見て、
    郷土芸能の哲学には自然と人の関わりの全てが含まれている。
・小島:日本人は民俗文化(の良さ)を忘れてきた。
(今、ここ(や被災地)で復興への)力になっている民俗文化(郷土芸能等)をベースに日本文化を作り直すいい機会である。

結論は良しとして、自ら被災地を歩いて思索した赤坂氏の指摘は、やはり重くて深い。
   
「災害と民俗芸能」開催 東海新報社
第16回国際シンポジウム「災害と郷土芸能」

思いがけない大雪で人出が少なかったのは残念でしたど、「(この地から)郷土芸能による日本文化の再構築」が結びとなった「国際シンポジウム 災害と郷土芸能」(大船渡リアスホール 神道国際学会と市民大学「ケセンきらめき大学」の共催)。ぜひ記録を単行本化(演舞のDVD付がいい)して、多くの人に読んでいただきたい。


                       (リアスホールの希望の木)
立役者の皆様のHP
神道国際学会
http://www.tohkaishimpo.com/kirameki/
・ケセンって気仙(郡)
気仙広域連合:気仙の概要(歴史)

津波は左手(写真外)の盛駅ふたりにまで達したらしいが、現在、都市機能は大分回復したように見えます(120226)

郷土芸能団体のHP
http://www.urahama.com/
門中組虎舞
行山流 小通鹿踊り - 行山流 小通鹿踊り(岩手県大船渡市)