名取川の大氾濫─潜在的脅威の発掘

「私たちは、過去五千年間に起こった大洪水の痕跡を見いだし、沖積平野という地形が持つ、潜在的な大規模自然災害を明らかにしようとしています」(配布資料より)
松本秀明先生(東北学院大学 自然地理学)の講座「縄文時代の自然災害─名取川の大氾濫」(仙台市縄文の森広場「縄文講座3」)は衝撃的でした。
特に津波対策で高い防潮堤を造ったところに河川の大氾濫や土石流が起きれば行き場を失った土砂によりさらなる大災害となる可能性が指摘されたこと。
津波を避けて、高台に移住してもこのような場合の対策がとられなければならないと感じた。
2500年前(縄文時代晩期)、1500年前(古墳時代中期)、1000年前(平安時代)仙台平野には大洪水の痕跡が明らかとなってきており、レジメによればいずれも温暖化の時期に起こっているので、大洪水はいつ起きてもおかしくないとのこと。
大崎平野でも2500年前には北小松遺跡で巨大洪水らしい痕跡があるので大きな広がりがあったのかもしれません。
縄文時代の自然災害(相原淳一 仙台市縄文の森広場)
レジメの副題に「将来の私たちを襲う潜在的脅威の発掘」とあります。ぜひ松本先生の研究成果を防災に役立ててほしいものです。
ちなみに2500年前は縄文時代から弥生時代への転換期、1000年前(平安時代)は確かに遺跡数が激減する時期なので考古学とのつき合わせにより新たな「歴史像」を描ける可能性を感じました。

↓今回のレジュメとほぼ同じ内容の松本氏の最新情報
仙台平野の「巨大洪水」の痕跡
巨大洪水や巨大津波の痕跡を検出する研究,そして災害履歴地図へ|事業の成果|日本学術振興会
http://www.izcc.tohoku-gakuin.ac.jp/liberal/Hmatsumoto/
・ミレニアム規模のハザードは津波にだけ目が向いているのが現状
ミレニアム津波ハザードの総合的リスクと被災後の回復過程の評価
名取川の洪水伝承など
宮城の旅 仙台市太白区 落合観音堂 【観光案内・地域情報・タウン情報】
http://www.stks.city.sendai.jp/sgks/WebPages/taihakuku/37/37-03.htm