『仏教は心の科学』・・・ブッダは「存在は不安定な状態」と語った


スマナサーラ長老の語る「ブッダ(釈迦)の教えの本質」の最新刊(前述の「根本仏教講義」から構成)。
やはり、「八正道」は本の最後のあたりにあった。しかし、「因縁の理解は全ての煩悩を捨て去って、長い時間冥想などをしている時に現われる智慧」なので。その人の(わたしの)今のレベルでしか理解できない。ここでは、印象に残った言葉を記すに止まるざるをえない。
冴えるスマナサーラ長老節
・「宗教は(自然への)恐怖心から生まれ」た。「死への恐怖は文明の源」「「森は神」から「森の神」へ」
 ⇒聞いたことありますが、あらためてすごい指摘です。
・「日本の日常の礼儀の中には仏教の精神がちゃんとある」
 ⇒スリランカの方に言われると改めてそう思います。
・「われわれはすべての生命のお陰で生きている」→「慈悲」
 ⇒まずは今日の食べ物を思い出して感謝
・「自分に関する身体と心の動き、システム・法則」を理解して「迷信的宗教を卒業」しよう。
 ⇒テーラワーダ仏教というか、スマナサーラ長老の意気込みはすごし、現代的。
・病気は「生命活動のバランスそのものが崩れているのです」
 ⇒つくづく感じてます。
・「業(カルマ)の意味は、心の持ち方次第で人生が決まるという法則」
 ⇒テーラワーダ仏教の主張の本質。
・「自己観察しない生き方は死人と同然」⇒生ける屍の群れ
・「生きる」=「苦」の意味は「満足は得られない」⇒それならかなり分かる。
・「仏教を実践していれば悪い霊とは縁がない」⇒ちょっとこわ い「現代科学」からはでてこない言葉。
・「心の本来の姿は、暗くて、怠け者で、悪そのものなのです
 ⇒反論したいのですが、毎日の殺しのニュースに残念ながら現実が答えを出しているようです。
歴史は「ごく一部の人間の過去の記録ですから、まったく意味はない」 「勉強する必要もない」
 ⇒地域の人々の暮らしの歴史の総合と構造化がめざされています。
・「心は全身にある」⇒高岡英夫氏も喜びます。
・「一旦停止は人類最強のお守り」「ちょっと待てよと考えて  から行動する」⇒とっさに身を守るのには通用しないが、ほとんどの場合は当てはまる。
「他人の欠陥ばかり見る」→「全ての不幸がそこから始まる」
・【怒ったら電気ウナギの電気みたいに身体中に毒素が回り破壊する】
 ⇒怖いです
・「「頑張りましょう」でなく「しっかりしましょう」」
 ⇒この言葉 もーらい
・因縁とは「自分がいるという実感その ものさえ、万物の中でお互いの働きによって現われてくる一時的な ものだ」⇒「無我」⇒言葉では分から ない→冥想
・【すべてのものは「変化に変化を重ねていくエネルギー」】「宇宙の存在そのものが波動」⇒現代物理学に合うんじゃないか!?  
・「完全な悟りを開いた阿羅漢は無我なので、行為が結果を生みません。つまり因果から自由なのです」
・「この世の中で因果関係で説明できないものは何一つない」
  ⇒え? 完全な悟りはありえるのか?  
・巻末の言葉「存在は常にエネルギーの交換をしている
 

仏教は心の科学

仏教は心の科学

最後にホッとしたのは日頃、芸術をあまり評価しないスマナサーラ長老が「歌舞伎」と「We are the world」を「いい」と云っていた事。
                     (短くも太く生きた一周忌の人を偲びつつ 追記070122)